第38回インテリアコーディネーター試験のポイント・おさらい「論文編」

 

2020年の「第38回IC2次試験」も終わって1週間が過ぎるので、私も改めて問題を見てみました。

 

今回は論文編です。

 

まず、設問は以下です。

 

◆設問

住まいにおける空気汚染と自然換気について

戸建て住宅を建てる予定の依頼主から、室内の空気汚染と自然換気について相談があった。下記の3つの段落に分けて、アドバイスすべきことがらを解答欄3に550〜600文字で記述しなさい。

なお、記述にあたっては、課題Iとの関連性は考慮しなくてよい。

 

1段落目:室内空気の汚染源について

2段落目 外部風による換気(風力換気)を考慮した開口部の設け方

3段落目 温度差による換気(温度差換気)を考慮した開口部の設け方

 

今回はこの設問に対して、私なりの意見、書き方を述べていきます。

 

第38回インテリアコーディネーター2次試験の「論文」について

 

まず、私がはじめに思ったことは「書きやすそう」ということです。

 

今回のように段落分けがされていると、こちらも書き始めやすいですし、おそらく「採点側」も効率よく添削ができるものと思います。

 

なので、今後はこういう出題形式が増えるかも・・・?

 

さて、それでは本題に入ります。

 

第38回の論文ポイント

 

今回はまず「アドバイスすべきこと」と書かれているので難易度は低めですね。

 

というのも、アドバイスすること→「○○を考慮する。○○を配慮する。」などと文末で書いても大きなミスにはならないだろうということ。しかも、2、3段落目は「考慮すべきことをアドバイスする」ので、文末表現も「考慮する」や「アドバイスする」など、色々と使いやすかったかと思います。

 

例)

「○○を考慮し、解決策として△△をアドバイスする」

「アドバイスとして、○○なので、△△を考慮すべきである」など。

 

さらに掘り下げると

「各段落でバランスよく記述しなさい」などと書かれていないので、私なら、1段落目の「室内空気の汚染源ネタ」でちょこちょこと文章を長く引き延ばして、文字数を稼ぎます。

 

逆に2段落目、3段落目は「外部風による換気」と「温度差による換気」の具体的な正解を書かなければならないので、サラッと済ませたいものです。

長々と書いて、万が一に的外れなことを書いてしまったら損しますからね・・・。

 

なので、割と一般知識・常識で埋められる箇所で文字数を稼ぐのが「書きやすい方法」だったかもしれません。

 

 

さらに掘り下げます(減点ポイント)

 

✔︎ 1段落目 室内空気の汚染源について

まずは、「室内空気の汚染源」というワードに対して連想するものを考えてみます。

 

・ホルムアルデヒド(建材などに含まれる化学物質などでもOKでしょう)

・シックハウス症候群

 

上記の2ワードだけでも文章は結構書けてしまいます。

例)

【結論・具体的な症例】

「室内空気の汚染源は、主にホルムアルデヒドなどの揮発性の有機物によるものが大きく、これらは空気中に蒸発しやすい特性があることから気をつけなければならない。また、それらはシックハウス症候群を発症することにもなりかねないので、対策をアドバイスする。」

 

【補足】

「具体的な対策として、まずは第一にこまめな換気をする必要がある。特に、機密性の高い新築の場合は建材から蒸発した化学物質が室内に溜まりやすく、より一層の注意が必要となる。そのため、顧客には定期的な換気の重要性を説明する。」

 

【補足2】

「また、壁や天井には漆喰や珪藻土、床は無垢フローリングなどの自然由来のものを使うことも効果的である。」

 

【この章のまとめ】

「これらのことからも、建築材は自然素材を取り入れるようにし、こまめな室内換気で化学物質濃度が高くならないようにするなどのアドバイスをする。」

 

 

外部風による換気(風力換気)を考慮した開口部の設け方

 

第3段落の「温度差による換気」は書きやすいお題だと思いますので、この【風力換気】が一番苦労したのではないでしょうか?

 

私であれば、「風の入り口と出口の2箇所を設けるとよい」。

 

このような文章構成をします。

 

特に今回はプレゼンテーションとの関連性もなく、「これから戸建て住宅を建てる人」なので、書きやすいといえる。

 

例)

【結論】

「風力換気に適した開口部の設け方は、入り口と出口という形で2箇所の窓を設置することが望ましい。また、それらの配置は、対角線上に配置することで最大の効果を得ることができるようになる。」

 

【補足】

「その理由として、最も部屋全体に風が行き渡りやすく、空気の淀みが解消されるからである。」

 

【補足2】

「よって、可能な限りは室内に窓を2箇所以上設け、それが難しい部屋にはドアと窓を開け、サーキュレーターなどで空気を攪拌するなどアドバイスする。

 

最後の「ドアと窓を開け、サーキュレーターなどで空気を攪拌するなどアドバイスする。」が一つポイントになります。

 

この一文は「開口部の設け方とは関係のない文章」です。

つまり、このような表現をメインに書いていた場合は、あまり印象が良くないかもしれません。

 

とはいえ、今回のように、最後の補足でつける分には全然OKだと思います。(この程度は絶対減点にならないでしょう)

 

この辺りを要領よく狙って付け加えれると文字数を楽に稼げます。

 

 

温度差による換気(温度差換気)を考慮した開口部の設け方

 

段落2に比べると書きやすいお題かと思います。

ゆえに、「的外れな回答をしている場合」ちょっとピンチですね。

 

重力換気に関しては、空気の出口となる開口部は上部にある方が高効率なのはご存知だと思います。

逆に、空気の入り口は低めに設置することで効率のいい換気ができるようになります。

 

ほぼ、これが答えなのですが、少しまとめてみましょう。

 

【結論】

「温度差による換気を効率よく行うには、窓の設置は低い位置、高い位置の最低でも2箇所の設置をすることが重要である。」

【補足】

「これは、室内の温かい空気は上昇する性質があることを活かし、空気の入り口は低い位置、出口となる開口部は高い位置に設ける。」

【補足2】

「このように、温度差による浮力の差を利用すると、窓を開けるだけで、素早く効率のいい換気ができるようになる。」

【補足3】

「さらに、吹き抜けのある部屋では、より効果が期待できるということもアドバイスする。」

 

 

まぁ、この程度のことが書けていれば論文は問題ないでしょう。

 

とにかく設問に対して「的確に要領よく、早く書ききること」がこの試験では重要ですね。

 

 

まとめ

論文は大半の方が最初に取りかかり、完成していると思いますが、一応で「解答例」を出しておきました。

近日中にプレゼンテーションの考察も出したいと思います。

 

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